お勧めキャンプ場
● vol.001 有野実苑オ-トキャンプ場
場内は高原リゾートの雰囲気
民家が点在する起伏の乏しい平地にあり、しかも頭上に送電線の鉄柱があるというロケーション的なハンディを抱えながら、緑に恵まれた高原リゾートの雰囲気が漂う不思議なキャンプ場だ。中途半端な山奥のキャンプ場よりも、むしろここの方がよほど豊かな自然に囲まれている印象を受ける。造園師の心得もある鈴木オーナーのサイト設計の妙である。特に植栽がユニーク。自然林を間引きしたのとも違うし、計画的な植樹とも異なる独特の植栽がここの持ち味だ。自然林の雰囲気をふんだんに残しながら、よく見るとサイト間のプライバシーを守るような巧妙な植樹の仕方になっている。オーナーには植樹した木の一本一本にすべて思い出があるという。鈴木氏はもともとは観光農園の経営者。農園の敷地を少しずつキャンプ場に転用していったのがこのキャンプ場で、場内全体に農園時代の典雅な雰囲気が残っている。その感じは、どことなくヴァトーの描くロココ絵画の「森」といった印象がなくもない。子連れサイトとシルバー用サイト
場内は道路を隔てて、二つのエリアに分かれる。林間のA、B、Cサイトと芝生のDサイトだ。A〜Cサイトは混み合ったときは少々狭い印象があるが、風呂場、シャワー室、子供用プール、子供用遊戯施設、管理棟(売店)などに近く、その分便利。子供が遊ぶスペースがほとんど視界の範囲に収まるので、子連れファミリーならA〜Cサイトの方が安心だろう。逆に道路を隔てたDサイトは広々した開放的な感じは伴うが遊戯施設やプールに遠い。こちらはのんびりしたいシルバーカップル向け。芝生の上に影を落とす木立を眺めながら、ゆったりと時の流れを味わうには絶妙の空間造形が成立している。個人的な印象では、テントキャンプならA〜Cサイト。キャンピングカーならDサイトがお勧め。 夏場は蚊も出るが、その数は少なく、テーブルの下に香取線香を置いておけばほとんど被害を受けない。充実した露天風呂とレストラン
ここの売り物は露天風呂。規模は小さいながら、自然石を生かした巧妙なつくりで和風庭園の風雅さがある。造園師でもあるオーナーの本領発揮といったところ。洗い場にはシャンプー、石鹸も用意され、入浴はタオルを持参するだけという気軽さがうれしい。この他に小さな子供連れに適した貸切家族風呂もある。 もう一つの売りは農園レストラン。近くの農家や自前の畑で採れた新鮮な野菜などがメニューを飾る。室内席と野外テラスの席があり、キャンプ場にしては大規模なつくりだ。バーベキューセットのほか、焼き鳥、シューマイなど酒のツマミになるメニューがふんだんで、ズボラなキャンプを決め込むときはここで食事をすませるのも手だ。経営者のお勧めはうどん。夏場は流しそうめんなどのイベントもある。 また管理棟前の喫茶スペースでは、夏場はかき氷や生ビールが売られる。ここにはテレビも設置され、夕方はアニメに見入る子供たちでにぎわう。高めの料金にも理由がある
料金は大人2人と小学生の子供2人で7,350円。これはキャンプ場としては多少高い部類に入る。しかしこの料金設定はオーナーの意図的なもの。料金を安くすればするほど客筋が悪くなり、高くした方がマナーの良い客が多く集まるというオーナーの持論に基づいている。異論もあるだろうが、その料金が場内を快適に保つ管理費や設備投資に回されていると思えば納得できる。確かにマナーに関しては相当“やかましい”キャンプ場で、「10:30消灯、ルール違反者退場!」を謳ったポスターが場内のここかしこに貼られている。深夜まで騒ぐことの多いグループ客を取らないというのもここの方針だという。まとめの一言
オーナー鈴木氏とは会合の席などで何度も挨拶を交わした“顔馴染み”の間柄。しかしゆっくりと話したのは今回が初めてだ。お盆の一番忙しいさなか、夜レストランで食事をしていたわれわれの席に一升瓶を土産に来訪。それを酌み交わしながらキャンプ談義が盛り上がった。この印象記が好意的に描かれたのはその“一升瓶”のせい(?)もある。鈴木氏は民営キャンプ場オーナーの典型的なキャラクターの一人で、キャンプを愛する気持ちが言葉の端々から伝わってくる熱情家。豪放磊落な反面、繊細。キャンプ場のつくりも、おおらかな自然をそのまま生かしたようでいて、緻密な計算が行き届いた巧妙な設計になっている。(町田)
- 名称
- 有野実苑オ-トキャンプ場
- 住所
- 千葉県山武郡山武町板中224
- 予約電話
- 0475-89-1719
- 利用期間
- 通年(予約開始=GWは2月1日から 夏は4月1日から)
- サイト
- オートキャンプ90区画(8×8m、土、草地または芝生)うち45区画にAC電源10A付き
- 宿泊施設
- 常設テント5人用3張/ケビン5人用2棟(2段ベッド、暖房付き)
- 利用料金
- 1区画(4人まで)7,350円/1人追加で1,000円増し/AC電源使用料1,000円/ケビン1泊15,000円
- 施設
- 管理棟/水洗トイレ/温水シャワー/ランドリー/風呂(庭園風露天風呂2棟、檜の桶の家族風呂2棟/売店/自動販売機/ダンプステーション/子供プール/バスケットゴール/ログアスレチック/レストラン/流しそうめん場/ゲートボール場 他
- レンタル
- キャンプ用品一式/MTB(冬はコタツセット、電気毛布 他)
- 禁止事項
- 打ち上げ花火/爆竹/カラオケ
- チェックイン
- 12:00
- チェックアウト
- 12:00
- 管理体制
- 管理人24時間常駐 管理人 鈴木信夫
- ACCESS
- 東関道・富里ICから国道409号を八街東金方面へ。約5km先の住野十字路を左折し、芝山方面へ。6km先の、右手に「塚本商店」がある角を右折。あとは案内板に従う。

