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■ 池田健一エッセー ■


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■ 作者プロフィール ■

  
      池田健一
   (いけだけんいち)

昭和25年長崎生まれ。大学卒業後、いすゞ系会社の特装車両を手掛け、その後整備士、板金などの職歴を経て、現在長崎でキャンピングカー製作を手掛ける。ウッドを多用したナチュラルな内装を特徴としたフィールドシリーズが評判となる。趣味はスキンダイビング、トランペット、リズム&ブルースなど。文明批評と豊かな詩情を織りまぜた独特のエッセイを自作のホームページに掲載して、アクセスユーザーからの注目を集めている。

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Outdoorエッセー「答えは風の中」 池田健一(カスタムプロ ホワイト)

● vol.001 お陽さまに一番近づく方法

1月の寒い寒い冬の谷間の、お陽さまが顔を出したお昼の少し前の頃、久しぶりに我が家のちょっとした外出。途中でちょっと昼めしでもと、セブンイレブンへ。パンとコーヒーを買って駐車場のクルマの中へ。狭い車内で家族4人もぐもぐしながら外を見ると、20歳前後の若者、クルマの混雑する中で、陽当たりのいい、座りごこちの良さそうな駐車場の隅の地面に腰掛けてうまそうにパンを食っている。ゆったり落ち着いて、地球は自分のもんだって顔して食べている。

やられた! 負けた! こんな冬の日の晴れ間のチャンス。狭いクルマの中で四人もかたまってドアをしめて、きゅうくつな我ら家族。そうだ。あれがアウトドアの原点のはず。地面に腰かけてゆったり落ち着いて、お陽さまも、風も仲よしにしてしまう。これぞ、アウトドアマン。


テレビや雑誌では「これがアウトドアだ! 今からの流行だ」と、アウトドアスポーツを、RVを、オートキャンプを紹介し、キャンピングカーを含めた道具をひけらかす。自分もいつの間にか、その流れの中に浸かってしまっていた。

でも原点はあの若者だ。流行のシューズもはいていないし、メーカーのウエアも着ていない。でもお陽さまがぴったりジャストフィット。風を着こなして大地を履いている。

アウトドアとは人の登れない高い山に登ったり、深い海に潜ったりすることではないはず…。山奥に住んだり海辺に暮らすことでもない。決まったシューズにウエアをはおって、かっこいいグッズを揃えることでも…。毎日の生活の中で少しでもお陽さまに、風に、気持ち良く近づいてみる。気持ちよく近づけるように心がける。

あんな風にワイルドでナイーブ。20年、30年戻れたら、…なんて年寄りくさい事を考えてる。いやいや……俺もまだまだ今からでも戻れるはず。

そうそう…あの若者の横では、大きな口をあけてパンを食べながら彼女が、ぼさぼさの彼氏の頭をでっかいクシでとかしてやってたっけ。私のカミさんも黙ってあんな風にしてくれるかなあ。あの風景が一番かっこいいのをわかってくれたかなあ。…いろんな事を考えて、彼らに負けてなるもんかと奮起する。

最近放映された『味いちもんめ』のメインソング、ラララが聞きたくて大黒摩季のCDを買ってくる。その歌詞の中で、

    好きになるのは簡単だけど、輝き持続するのは…

なるほど。年とともに一番大事な事、素敵な事、かっこいいクルマ、いつの間にか忘れてしまう。そうだ。まずは頑張って朝の散歩も続けていこう。忙しくても出来る範囲で運動しよう。なるべくクルマをやめて歩くことを心がけよう。

朝、ひげを剃ろう。髪もブラシしよう…(これは関係ないか?)