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■ 池田健一エッセー ■


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■ 作者プロフィール ■

  
      池田健一
   (いけだけんいち)

昭和25年長崎生まれ。大学卒業後、いすゞ系会社の特装車両を手掛け、その後整備士、板金などの職歴を経て、現在長崎でキャンピングカー製作を手掛ける。ウッドを多用したナチュラルな内装を特徴としたフィールドシリーズが評判となる。趣味はスキンダイビング、トランペット、リズム&ブルースなど。文明批評と豊かな詩情を織りまぜた独特のエッセイを自作のホームページに掲載して、アクセスユーザーからの注目を集めている。

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Outdoorエッセー「答えは風の中」 池田健一(カスタムプロ ホワイト)

● vol.013 father sky.mother earth

何年か前の夏の日、私と友人、わが息子(よくコピーと言われます)。3人で海へ。コピーは入江でキス釣り。私と友人は、すこし離れた岬でスキンダイビングの予定。現地へ着くやいなや、わが息子、「リールを忘れたよ」。また始まった。私のコピーの天然ボケ。道具のチェック、出かける前になぜしない。

「帰るまで、そこで待ってろ」

ちょっと気になったけれど、彼のことをすぐ忘れて魚を追いました。すると友人、「かわいそうでしょう。車でリールを取りにいったら?」。私は「それでいいんです。痛い目、インプットしているんです」。そう答えました。

息子のこと、あれからずっと考えてきました。最近の子供は殿様。学校の忘れ物まで親が届ける。雨の日は車で送りむかえ。私はそれができない。時代遅れのガンコ親父。そんな時、インディアンの首長シアトルが、アメリカの14代大統領フランクリンピアスに宛てた手紙をふと目にすることがありました。そこには、詩情にあふれながらも考えさせられるメッセージが載せられていました。

father sky.mother earth(父は空、母は大地)。

そんな内容です。父は空でいい。お陽さまだったり、雨だったり、強く吹く風だったり、そよ風だったり…。それを読んだとき、親父は、やっぱりあれでよかったんだと、そう思えました。あの時、リール取りに行かないとかわいそう、と友人。私は取りに行く方がずっとかわいそう。愛のムチ。ある時は厳寒の烈風。ある時はそよ風ですね。実はそんなこと、まったく考えてません。ただいつも好きにやっているだけ。好きなこと、ほんとに好きなこと、ずーっと追いかければ、私はきっと伝わると信じています。烈風も、そよ風も。

私の友人のファミリーには、子供さんが大きくなられたら、めったにオートキャンプへ出られない人がずいぶんいます。好きなこと途中でストップ、さみしいですね。わが家では、子供は、用事があれば置いてきぼりで出かけます。親、たまに、いなくても、子はそれなりにエンジョイしています。自分でメニューを決めて、食事なんか作り、楽しくやってるみたいです。さぁ、フィールドへ出かけるぞ。fatherは焚き火。motherは大地で犬、走らせに。これってわがままですかね。

「答は風の中」というタイトルにふさわしい答をやっとひとつ、インディアンの首長シアトルさんから、もらうことができました。