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■ 池田健一エッセー ■


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■ 作者プロフィール ■

  
      池田健一
   (いけだけんいち)

昭和25年長崎生まれ。大学卒業後、いすゞ系会社の特装車両を手掛け、その後整備士、板金などの職歴を経て、現在長崎でキャンピングカー製作を手掛ける。ウッドを多用したナチュラルな内装を特徴としたフィールドシリーズが評判となる。趣味はスキンダイビング、トランペット、リズム&ブルースなど。文明批評と豊かな詩情を織りまぜた独特のエッセイを自作のホームページに掲載して、アクセスユーザーからの注目を集めている。

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Outdoorエッセー「答えは風の中」 池田健一(カスタムプロ ホワイト)

● vol.028 ロハスなバンド

2ヵ月ぐらい前のこと。ある会議の席上で、
「現在の便利な社会を象徴する言葉がITだとすれば、これからはロハスという言葉が注目される時代が来るでしょう」
そう発言したパネラーがおりました。

ロハス???

私はその言葉を、某アウトドアメーカーのブランド名「ロゴス」と勘違いしたために、何度も「ゴ」を「ス」と間違えて話すそのパネラーの顔を、あんぐりと口を開けたまま見つめたものでした。

しかし、さすがに聞いているうちに「ロゴス」とは違うように思えてきました。
まわりの人は、それを解っているのだろうか?
私は思い切って、「ロハスって、なんですか?」と、手を挙げてみました。

Lifestyle Of Health And Sustainability

その頭文字を取ったのが、ロハスだそうです。
心と身体、そして地球に優しいライフスタイルを意味する言葉だということでした。
つまり、個人においてはヘルシーな食事を心がけ、ナチュラルな製品を愛用することで健康維持を促進し、社会においては、リサイクル、リメイク、リフォームといった持続可能な経済を追求することだとか。
今までの「スローライフ」という言葉に時間の概念が導入され、人類の未来を見つめる視点が加わったという話でした。

それを聞いて、じっくり考え直し、うーん、いい言葉だと、思い直しました。

「スローライフ」
確かに、その言葉では、時間が止まってしまうようなもどかしさがありました。
「ゆっくり暮らそう」という精神は大事なのですが、いま各地で急激に崩壊の兆しを見せ始めてきた地球環境を保護するためには、それでは間に合いません。

何かいい言葉はないかと思っていた矢先、「LOHAS」が出現。

う〜んピッタリだ! これからは自分のオートキャンプの取り組み方にも、ロハスを採り入れていこう。

昇る朝陽に元気をもらい、沈む夕陽に今日を振り返る。
う〜ん……ちょっと弱いな、ロハス的な取らえ方になっていない。

昇る朝陽とともに愛犬とサンポ! 沈む夕陽とともにサンマ…いや、さつまいもでも焼くか。
少し固まってきたぞ! 健康と自然回帰。

ふと思い出すと、「あれこそ、ロハスなバンドの先駆者ではなかったか?」
そう思えるロックグループの名前が脳裏に甦りました。
その名は、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル。略してC.C.Rと言われたバンドです。

今から30年ぐらい前、私はアウトドアシーンで必ずといっていいほど彼らの音を聞いていました。
シンプルな編成による力強いサウンド。ダウントゥアースな味わいを持ちながら、谷川の清流のように爽やかなアンサンブル。
代表曲は、「Have You Ever Seen The Rein(雨を見たかい?)」。
他にも「Proud Mary」「Down On The Corner」など、彼らのヒット曲は数え上げればきりがありません。

ドラッグが全盛をきわめたヒッピー文化のなかで、彼らは、汗を流して体を動かすことの健全さを訴え続けていました。
彼らは、サイケデリックな照明で人を酔わせる都会のディスコの華やかさよりも、陽光きらめく綿花畑や、蒸気船が通りゆく川の美しさを愛し続けました。
そんなC.C.Rの音楽は、いつも私がアウトドアライフを楽しむときのテーマミュージックでした。

そして、いまふと思ったのです。
Creedence(信念) Cleawater(きれいな水) Revival(復活)。
…きれいな水を復活させようとする信念。
それって、ロハスじゃありません?

キャンピングカーの中から小さなラジカセを取り出して、そのボリュームをちょっと上げ、星空まで舞い上がりそうなたき火の炎のそばで、これから彼らの懐かしい「ロハスロック」を聞こうと思っているところです。
熱いコーヒーでも、いやバーボンかな…。
飲みながら。