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● vol.014 ファインダー

バンコンの時代が再来
キャンピングカーに対するユーザーの意識が少しづつかわってきた。流行やステイタスに意識を奪われるのではなく、自分の家族構成や使用目的などをシビアにチェックし、自分の等身大のライフスタイルに応じたクルマ選びをするユーザーが増えている。
その流れを反映しているのが、バンコンの復活。バンテックのイビサ、アネックスのジョイフルなど、キャブコン中心の展開を繰り広げてきた大メーカーが次々とバンコンをリリースしているのを見ても、日本人の実状に合ったキャンピングカーとして、再びバンコンが見直される時代が来ているような気がする。
ただし、バンコンの復活といっても、それはかつてのブームの再現ではない。7〜8年前のバンコンブームは、いわばバンコンが「キャンピングカーのエントリーモデル」として評価されたからだった。ヨコハマモーターセールスのRVワゴン。レクビィのファイブスターなど、キャンピングカーとしての必要最小限の機能を効率よく全うし、それを買いやすい価格で売り出したバンコンが各メーカーから次々と開発され、それが第一次バンコンブームをつくった。それまで「キャンピングカーは高くて手が届かないもの」とあきらめていたユーザーが、それらのモデルによってようやく憧れのキャンピングカーを手に入れることができたわけである。 バンコンは「キャブコンや輸入モーターホームの機能を、コンパクトなボディとリーズナブルな価格で実現したもの」というふうに位置づけされ、やがてはキャブコンやモーターホームという“上級機種”にステップアップしたいが、とりあえず今はバンコンで大いに楽しもうというユーザー層によって支えられた。しかし、今バンコンに注目している人は、そういう捉え方をしていない。逆に、過去に大型キャブコンや輸入モーターホームを経験しているような人たちが、バンコンに新しい視線を向け始めている。子供が大きくなって、もう夫婦2人でしか使わない。アウトドア中心に遊ぶより、都市部を含め日本全国を回りたい。理由は様々だろうが、いずれにせよバンコンの機動力、サイズ、操作性、メンテナンス性などを冷静に見直し、それが自分のライフスタイルに一番合っているという見方をするオーナーが増えているのである。
したがって、必ずしもカタログにある定番モデルをそのまま購入するとは限らない。キャンピングカーを何台も乗り継いでくれば、自ずと自分のライフスタイルも確立されてくる。自分が使い易いようにするための改造には積極的に予算を投じてみようという人が、今バンコンに注目している。
前置きが長くなったが、今回ここに紹介するヨコハマモーターセールスのファインダーは、まさにそういう新しいバンコン支持層のニーズに応えるように開発されたモデルである。基本は「特注」。もちろんベーシックな定番モデルはあるが、それをそのまま売るというのではなく、そのベースモデルを叩き台として、ユーザーのニーズや希望のスタイルをできるだけ実現してみようというのが、基本的なスタンスだ。最近では珍しいともいえる本格的なハイルーフ仕様だが、これも、キャブコンや輸入モーターホームからの乗り換えユーザーを意識している以上当然だろう。車内を立って歩けるかどうか。キャブコンや輸入車を求める人が望むのは、まずそこがポイントの一つになるからだ。
数々のユニーク装備を組み込んだファインダー
基本をオーダーメイドにおくというキャンピングカーを説明するのは難しいが、とりあえず1号車として受注を受けたファインダーの特徴を紹介しよう。
話題性があるのは、バンコンでは珍しいルーフエアコン。コールマンのミニマッハが搭載されている。その駆動を保証するものとして、ホンダのEu16iが用意され、リヤ部に積載するスペースが確保されている。
ユニークなのはリヤ両サイドの鉄板窓埋め。もちろん断熱性とプライバシー確保のためにオーダーされたものだが、ビジュアル的にもキャンピングカーらしい安定感が生まれ、キャブコン並みの断熱性と居住性が確保されているという雰囲気が伝わってくる。本格的な鉄板の窓埋めはキャンピングカーでは珍しいが、その面の張り方などは実にナチュラルでスムース。まるでメーカーのラインからそのまま完成車として出てきたようである。埋められた後室には、新たにフライスクリーン付きのキャンピングカー用窓が設けられている。
スクエアなボディ形状を特徴とするいすゞコモ(日産キャラバン同型車)をベースにしていることもあり、室内空間は広々した印象を伴う。頭上のすがすがしさは格別で、ハイルーフキャンパーの面目躍如といったところ。
ルーフベッドは縦寝の引き出し式。フロアベッドと合わせて大人4人の就寝が確保されているが、2人で使うという前提に立てば、ダイネットは崩さずにすみそうだ。コンロの設定はなく、必要ならば卓上コンロを使ってください…というスタンス。そのかわり、キッチンカウンターはフラットな広がりを持つ使いやすい形状に処理され、その下にはしっかり電子レンジが埋め込まれている。メンテナンス性を考え、バッテリーからアップダウントランス、コンバーターなど、電気系統がすべてキッチンキャビネット内に集約されているのも便利だ。
そのほか、このクルマでは、格納式の安定ジャッキをリヤに埋め込んでいたり、豊かな音量で音楽を楽しめる18mmのスピーカーパネルが奢られていたりと、オーナーの趣味性の強いオーダーがふんだんに盛られている。サイドオーニングなどは、使用頻度が少ないということで、エントランス部分を覆うだけのコンパクトなものが採用されるほか、キッチン上のレンジフードなどは、大型レンジフードの真ん中を切ってコンパクトにリメイクした特注品が使われている。
これらの改造や装備をすべて実現するとなると、さすがに定番モデルの価格帯より跳ね上がるのは事実。しかし、最近は自分の望みを実現するためには、それにかかる費用をもいとわないユーザーも増えているとか。要は、バンコンの購入価格における経済性をフルに活かし、予算に余裕があれば自分自身の使いやすい仕様の実現に振り向ける。そういう人たちが、今このファインダーに熱い視線を向けている。
キャブコンや輸入車の方がバンコンより“上級”という従来の先入観からは完全に解放され、自分のライフスタイルと等身大のクルマを素直に選べる新しいユーザー層が育ってきたといえそうだ。
- 発売
- ヨコハマモーターセールス
- 価格
- 3,980,000円〜
- サイズ
- 全長4990mm 全幅1690mm 全高2610mm
- 定員
- 乗車定員8名/就寝定員4名
- ベース車
- いすゞCOMO[コモ](直4 DOHC 4AT ガソリン)
- コーチビルダー
- ヨコハマモーターセールス
- 主要装備(一例)
- FRPハイルーフ/給排水タンク(各20リットル)/ステンレスシンク&フォーセット/架装部バッテリー/走行充電システム/外部AC入力システム/ハイマウントベッド/セカンドシート/ダイネットテーブル/リアソファーベッド/左右オーバーヘッドラック/キッチンキャビネット他
- オプション(一例)
- FFヒーター/ツインエアコン/ビルトインリヤヒーター/フライスクリーン付きウィンドウ/電子レンジ/インバーター/ビデオ付きテレビ/ポータブルトイレ/サイドオーニング/ルーフエアコン/リヤサンルーフ/バックアイカメラ&カラーモニター/冷蔵庫(21リットル)/発電機(ホンダEu16i)

