氷川キャンプ場 (東京都) Okutama Hikawa Camp Site
東京都西多摩郡奥多摩町氷川702
0428-83-2134 http://www.okutamas.co.jp/
たまにはキャンピングカーを忘れ、テントキャンプの原点にチャレンジしようと思い、テントをかついで訪れたのがこの氷川キャンプ場。秩父多摩国立公園の中心駅であるJR奥多摩駅から徒歩5分弱という好立地にある。その地の利と、多彩な自然の魅力によって、この辺りには様々なアウトドア嗜好の客が集まってくる。周辺の山々への登山客や、多摩川の渓谷美を楽しむハイカー、または渓流魚釣りを楽しむ釣り人達。そういった奥多摩の観光の基点ともいえる氷川に位置するこのキャンプ場は、週末ともなれば大変な賑わいを見せる。場内には、雨天でもバーベキューを楽しめるバーベキューハウスと、宿泊施設としてログハウスやバンガローがあるので、天候に左右されることなくアウトドアを楽しむことができる。 河原に広がっているテントサイトでは、普段なら透明度の高い多摩川の清水を楽しむことができるが、今回訪れた時は丁度台風が通過した直後で増水して濁っていた。最近は河原のキャンプでの事故や水難事故が多発しており、キャンプ場のみならず利用者自身の安全管理が問われている。氷川キャンプ場での安全管理について、奥多摩総合開発の小林さんに伺ってみると「普段は安全なのですが、今日のように増水している時には川辺にロープを張ってお客さんの遊泳を禁止しています。また、7〜8月は多摩川に流れ込む水量を、衛星を使って観測しているウェザーニュースでチェックしています」とのこと。キャンプ場サイドの川の安全対策はぬかりがないようだが、むしろ問題なのは利用者の意識。危険が感じられる時はもちろん、普段の川遊びの時もキャンプ場の指示に従いたい。 氷川キャンプ場の安全対策に関して、驚いたことがもう一点ある。なんと夜中に警備員さんが、テントサイトを巡回してくれるのである。(これは夏場の繁忙日のみとのこと)主に、禁止事項である打ち上げ花火を上げているお客さんに注意したり、川に入る人が居ないか警備するのが業務のようだが、そっと炊事場に落ちているゴミを拾って掃除してくれているのも見た。氷川キャンプ場の細やかな安全対策に脱帽!
氷川キャンプ場に来てまず驚いたのは、場内の清潔さである。トイレも水場も、とにかくきれいに掃除されている。その理由は、スタッフの方のこまめな清掃活動にある。特に、キャンプのお客さんがチェックアウトする朝の時間帯には、総勢10名位のスタッフの方が出て場内全域の清掃をしている様子が垣間見れた。キャンプ場の衛生管理について、小林さんにお話を伺うと「汚くしてあると、どうしてもお客様も、汚く使ってしまうものなんです。汚していいんだなぁーと、少し気が緩んでしまうのでしょうね。だから、きれいな掃除をこころがけています」。まさにその通りのお話で耳が痛い。 さらに氷川キャンプ場では「エコステーション」というゴミの収集分別所を設けて、ゴミの完全分別を徹底している。エコステーションでは、随時スタッフの方が待機していて、ビニール袋に入れて出されたゴミを、ひとつひとつ開き「生ゴミ」・「紙ビニールゴミ」・「瓶カン」の3種類に分別している。有人のゴミ置き場というのに出会ったのは初めての体験で、スタッフの方にゴミ袋を手渡すときには少なからず罪悪感を感じてしまうが、その分「きちんと分別して出さなければ!」とこちらの気も引き締まる。「でも最近は、ゴミの分別という意識がだんだんとお客さんの方に浸透してきたようです。昔は何でもひとつの袋に入れて出しちゃえ、という方が多かった。時代が変わってきましたね」。しかしゴミをもう一度人の手で分別しなおすというのは大変な手間がかかる作業な筈。「分別しないで燃やせる大型焼却機を導入するとしたら、きちんとしたダイオキシン対策を講じる必要があります。それには多大なコストがかかる。それなら、もう人の手でやってしまおう、と」その、妥協しない姿勢は、やはり自然環境に対する真摯な精神から生まれるものなのだろう。
氷川キャンプ場は「直火がOK」という今時珍しいキャンプ場である。(もちろんマナーを守れることが前提。夜中の大騒ぎ・危険な行為・打ち上げ花火等は禁止) これは「夜中に火を見るとナゼかコーフンする系」の人々には実に嬉しいことである。私なども「夜のキャンプ場で、気のいい仲間が集まれば、ぜひとも焚火を肴に一献…」というクチであるので、こういう風にはっきりと「OK!」だと感動的にウレシイ。ということで、焚火の炉をつくる為に、わっせわっせと河原の石を運んで手製のオリジナル焚火炉を作ることに。やはり石の間に適度な空気孔があるのが理想。そのあんばいが「理想的な炎」の生成に大きな作用を及ぼすので、結構真剣である。とは言っても「ひとつ積んではバーベキューのため〜、もひとつ積んでは晩酌のため〜!」と鼻歌まじりで運ぶのだから、重い石だって軽い、軽い。 さぁーて! 炉ができたら、備長炭でバーベキュー。「スーパー小川」で購入した焼き肉用の和牛と牛タン、そしてその近くにある八百屋さんで購入したとれたて野菜という豪華食材陣を、とにかく「焼くべし!焼くべし!」、そしてすばやく「食うべし!食うべし!」。川を渡る風は涼やかで、森の緑はしんしんと深い…、そういうロケーションで食べる食べ物のまずかろうはずはない。また1つ、キャンプの幸せを発見してしまったなぁ…と大満足の夕食だった。 そして、夜ともなれば焚火を囲んでの酒盛りが楽しい。「とにかく火を絶やすな!」を合い言葉に、薪をくべつつ、地酒「澤乃井」を酌み交わす。ふいに山間から吹き降ろす強風で、あやうく消えそうになる焚火の面倒を見ながら呑む地酒のなんとウマイことか…! 実に良い酔い…! アーヨイヨイ…! と、少し酔いも回ってきた頃になると、なぜかしんみりとしてくるのが焚火の夜の不思議なところである。どうして焚火を囲んでいると、遠い昔の、何だか優しい思い出ばかり思い出してしまうのでしょうね。もう会う事もなくなった友達のことをふいに思い出して「いつから連絡とってないんだっけなぁ…」と、過ぎた時間の長さにボー然としたりして。焚火には、何というか過ぎ去りしものを喚起させるようなところがあると思うのは私だけでしょうか。しんみりするけど、焚火があるから不思議に暖かい。というのも、焚火の夜の魅力なのかもしれない。