朝霧RVパーク(静岡県)
Asagiri RV Park

静岡県富士宮市麓

03-3758-0041
(カネコスタジオ)
携帯 090-3236-1395

利用期間 GWと夏休み、あとは原則的に土日のみオープン
サイト フリーサイト120台以上
利用料金 1泊2日で3,000円(1台1張)、以降1泊ごと1,000円

●ACCESS 
東名からは富士ICを降りて国道139号線を富士宮市方面へ。中央道からは河口湖ICを降りて、国道139号を河口湖・富士山方面へ。どちらのICからも30km。「グリーンパーク(朝霧高原温泉)」の看板が目印。看板より800m。
●お風呂 グリーンパークの朝霧高原温泉は歩いて行ける距離。ほかに「風の湯」「天母(あんも)の湯」など、近辺の入浴施設は豊富。

《ここはキャンプ場じゃないんだよ!》

 はて、これを「キャンプ場」といっていいものかどうか…。もちろんサイトがある。水場もトイレもある。そして実際キャンプをしている人たちの姿が見えるから確かにキャンプ場ではある。しかし、そこを管理している管理人が「あくまでも自分の庭!」と言い張るのだから、キャンプ場ではないのかもしれない。
 管理人の言い分はこうだ。
「キャンプ場にするなら当然儲けを出さなければならない。しかし儲かっていないんだよ、ここは。収益でいえば“キャンプ場未満”なんだ。それでいいの。道楽で、自分の庭をキャンプ好きに貸しているだけだから」
 そう言い張るユニークな管理人の名は金子益久さん。10年ほど前にこの朝霧高原の広大な土地を地主から借りた。草だけが茫々と茂る使い道のないような土地だった。人の手を借りることなく、少しずつ草を刈り、地面をならし、キャンピングカーが泊まれるようにした。
「広さは?」と聞くと、
「さぁ、何ヘクタールになるのか数えたこともない」というのんきな返事。
 キャパシティとしては、現在120台分は確保できている。将来的には400台も可能とか。
「草を刈ればいいだけだから…」
 金子さんのスタンスはあくまでも自然体だ。
 施設としては簡易水洗トイレと水場だけ。売店もシャワーも自動販売機もない。普段は「朝霧RVパーク」という看板すら出さない。
「30年ぐらいまえのキャンプ場は、みなこんなものでしたよ。今の基準でいえば不便このうえない。しかしそこにアウトドアの原点があって、野原で寝る楽しさがあった」
 どうやら金子さんの狙いは、今の過剰装備のキャンプ場に対して「キャンプの本道」を主張するところにあるらしい。ここには快適施設は何一つないが、そのかわり目の前にドーンとそびえる富士山の絶景があり、山々を越える渡り鳥の群があり、満天の星がある。大自然と人間の皮膚がダイレクトに直結する場。それがこの「朝霧RVパーク」である…というのが、金子さんの主張だ。
 だから料金も1泊3,000円と格安。しかも2泊目以降は1,000円となる。連泊すれば1日2,000円。観光地の駐車場代なみの料金だ。

《発電機OK、チェックイン制限なし》

 さらに驚きなのは、口うるさいルールは一切なしという野放図(?)な運営方針。発電機OK。ペットも可。打ち上げ花火大歓迎。チェックイン、チェックアウトの制限なし。第一予約が要らない。電話を入れるとしたら、それは営業しているかどうか、あるいは空いている場所があるかどうかを確認するだけ。当然突然のキャンセルOK。もちろん多人数の突然の飛び込み大歓迎。
 そう聞くと、確かに「これはキャンプ場ではない!」と思いたくなる。ただし…と金子さん。
「今挙げた事柄が、他人の迷惑になるかどうかは自分自身で厳しく判断してもらう。ルールはないが、マナーに関しては自己管理の厳しい人でないとここには入れさせない。私の庭なのだから、私が退場させるのは自由だ」。
 おっとやっぱり厳しいことには変わらない。しかしお客同士で声をかけあい、発電機の使用などはお客同士で時間を決めるなど、キャンピングカーのメリットを活かした使い方ができることはありがたい。ペット可であることも、チェックインの時間がフリーであることも、キャンピングカーのオーナーにとってはありがたいことだ。
金子さんがキャンピングカーに適したフィールドにこだわるせいか、キャンピングカーメーカー主催のイベント会場として使われるケースが多い。バンテック、ヨコハマモーターセールス、インディアナRV、東和モータースなどのユーザーイベントが既にここで行われている。8月末には日本RV協会のトレーラー展示会&キャンプも開催された。
 元々は、金子さん自身が大がかりなキャンピングカーショーを企画する有名な主催者だった。船の科学館、晴海、有明など、金子さんが手掛けたショーはその出展台数、来場者数の記録を次々と更新して注目を集めた。
「キャンピングカーの普及に関しては及ばずながら私も努力したつもりです。しかし、普及してもそれを使う場所が十分に整備されていない。次の自分の使命は、キャンピングカーを使う場所の開発にあると自覚したんです」

《道の駅のような気楽さで》

 今ある人気キャンプ場がほんとうにキャンピングカーを楽しませているのだろうか? 電源やダンプステーション、フックアップが備わっていれば、それだけでキャンピングカーに対応しているといえるのだろうか? 金子さんの答えはNO!だった。
 トイレやシャワー、時には発電機まで搭載したキャンピングカーが本当にその真価を発揮するのは、むしろ何もない大自然のふところなのではなかろうか。
 金子さんは、多くのユーザーが電源もダンプもない「道の駅」になぜ泊まりたがるかを分析し、料金的な負担感がないことと出入りの時間制限がないことに着目する。
 それならば水道代とトイレ清掃代、そしてセキュリティ保証代という最低限の料金で、「道の駅」的な気楽さを保証するキャンプ場があってもいいのではないか。朝霧RVパークのコンセプトはそこから生まれている。もちろん「道の駅」ではないので、オーニングや椅子・テーブルの設定も自由。暴走族が来る心配もない。それに、なんといっても手つかずの自然が堪能できるところが大きい。

 朝6時と夕方6時になると、まるでタイマーをセットしたかのように70匹ほどのカナダ雁がRVパークの上空をかすめていく。雄雌の鳴き声が聞き分けられるくらいの低空飛行だ。誰もが、炊事の手を休めて空を見上げる。ねぐらに帰る彼らの後ろ姿の先には、夕焼けに彩られた雄大な富士のシルエット。そのおおらかなロケーションのように、アバウトで、気楽で、自由で。それでいてお客同士の信頼が高まる不思議なキャンプ場である。(町田)