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第1回目
【キャンピングカーの保険は、今どうなっているのか?
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自動車NOx・PM法の施行や、自動車税の改定など、ここのところキャンピングカーを取り巻く環境が厳しくなってきているが、保険に関しても、キャンピングカーの保険料が昨年10月より大幅に値上げされたほか、「キャンピング車の任意保険を受け付けない」とか、「契約時に写真貼付などの審査を行う」などという保険会社も出てきており、キャンピングカーオーナーに不安材料を与えている。今回は、キャンピングカーの保険加入はどうなっているのか。東京海上の代理店やJRVA(日本RV協会)から聞いた話を紹介しよう。
《保険料値上げの背景》
キャンピングカーの保険料は昨年10月より、従来の料金より約20%アップされた。これはずばり、それだけ事故が増えてきたということを意味している。
保険料というのは、各保険会社ともその「損害率」によって算定される。損害率とは、支払い保険金額を収入保険料で割ったもので、100万円の保険料収入があり、事故時に80万円を支払ったとすれば、その場合「損害率80%」といわれる。
この損害率が50〜60%にとどまっていれば、各保険会社とも収益ラインに収まっていると見なされるわけだ。ところが保険会社にいわせると、そのキャンピングカーの損害率が、もう保険会社の算定ラインに収まらなくなってきたというのである。
それほどキャンピングカーの事故が増えたということになるが、実は保険会社が対象としているのは、厳密にいうと「キャンピングカー」ではない。キャンピング車という名目で8ナンバー登録される車両のことで、使用実態は「普通乗用車」であるにもかかわらず、登録時のみ8ナンバーで登録されるクルマを意味している。
従来キャンピングカーの保険料が安かったのは、キャンピングカーがカテゴライズされる「特種(トクダネ)車」が、プロドライバーによって運転される特殊な車両だと見なされていたからである。パトカーや消防車、放送宣伝車、移動事務車両、移動診療車などがこの特種車にあたる。ナンバープレートに「88」と付く、いわゆる「8ナンバー車」のことだ。
この8ナンバー車の保険料率が低いのは、「公務に携わるプロドライバーが中心だから事故も少ないだろう」という見方をされたからである。キャンピングカーは、パトカーや消防車のような業務用車両とは異なるが、出始めの頃は数も少なかったせいもあり、普通乗用車とは違うという意味で、この特種車のカテゴリーに入れられた。他の特種車と同じ保険料率が適用されたのは、使い方もファミリー中心だろうし、運転手も分別をわきまえた父親中心となるだろうから、事故率も低いだろうと判断されたからである。
しかし近年、保険会社が当初予想もしなかったような使用実態が出現してきた。登録だけは8ナンバーながら、車両の性格はおよそキャンピングカーとは縁のない普通車がどんどん増え続け、その車両の事故が顕著になってきたからである。登録時に8ナンバーの構造要件を満たすだけの簡単なシンクをボルト止めしただけで、登録が終われば取り外してしまうような車両である。(構造要件そのものが変更となって、このような車両の登録はもうできなくなるが)、「8ナンバー車は税金も保険も安い」ということだけに注目した使用者が、こぞってこういう車両に殺到した。特に若者が多かった。
統計上、若者の事故率が高いということもあって、若者には年齢制限による特約が適用されない。しかし8ナンバーである限り年齢条件がなく、掛け率も普通乗用車より一般的に安い傾向にあったため、それを目当てに“違法な”8ナンバー改造車に手を出す若者が増えてしまった。当然、運転に未熟なドライバーが多くなるため事故率も高くなった。
保険会社が、8ナンバー車の保険料を上げ、かつ契約時の審査を厳しくしたり、受け付けなくなった背景にはそういう事情がある。
《まともなキャンピングカーはどうなる?》
それでは、キャンプやアウトドアを目的とした“正統的な”なキャンピングカーの扱いはどうなるのか?
東京海上の代理店の話によると、保険料は前述した「損害率」によって流動的に決まるものだから、国土交通省による構造要件の変更などで、本来の目的とは異なる8ナンバー車が規制されるようになれば、当然事故率も減るだろうから、その場合は、保険料がまた値下げされる可能性はあるという。
ただ問題は、仮に適正な改造といえども、やはりキャンピングカーの内装の修理は高く付くという認識があり、車両保険を使って内装修理までまかなうとなると、「とても普通乗用車のような料率では収まらない」というのも、保険会社の本音。
保険料が値上げされたことに関しては、「逆に今までが安すぎた…」と思って納得するしかないのかもしれない。
困るのは「キャンピングカーの任意保険は受け付けない」という会社があること。その理由は前述したとおりだが、特にリスク管理を徹底させるという習慣を持つ外資系や、保険料の安さを売り物にしている新興の保険会社にこの傾向が強い。古くから営業実績を持つ国内の老舗では、比較的その規制も緩やかだ。
先ほどの東京海上の代理店では、「確かに、キャンピングカーの新規契約に関しては、正当な改造要件をしっかり満たしたものを対象とし、車検上登録が完了しているといえども、契約に関しては慎重な審査を要すべし」という内部通達が出されていることは事実だが、保険契約を定期的に更新してもらえるような懇意にしているお客様に対しては、その信頼を大事にして、ことさら写真の添付まで要求していないとの話。事故が起きたときにも、その使用状況をお客様からヒアリングして、信憑性が高いと判断した場合は厳密な審査もないということだった。
しかし、これはあくまでも保険代理店とそのユーザーとのそれまでの人間的なつき合いの部分で決まってくるもので、すべてのケースに適合するわけではない。また、新規契約の時の調査実態も、現車を厳密にチェックしたり、写真貼付を要求したりするものから、ユーザーからのヒアリングだけにとどめるものまで、各保険会社によって微妙な温度差があるようだ。
保険会社の審査基準が厳しくなってきた傾向に対処し、キャンピングカーを売るビルダーや販売店の方でも、自社と取り引きのある保険会社に対しては、ユーザーの保険加入をサポートする会社も出てきている。「このユーザーが使うこのクルマは、ウチが製作した正当な改造車であることを責任をもって保証します」というわけだ。今までつき合いのあった保険会社が契約に応じてくれなかった場合には、キャンピングカー販売店とつき合いのある保険会社に変えるという手もある。
また、JRVAでは「あいおい損害保険」と提携して、キャンピングカーに関しても普通の乗用車と同じように特別な制約のない任意保険に加入できるように話を進めている。
保険料は確かに上がったが、保険契約に関しては緩やかながら、キャンピングカーユーザーの利便を尊重するような方向に話はまとまっていきそうだ。