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■ ひとくちJournal ■


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Pキャンのマナーは今?
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vol.003
シニア層の消費感覚が変わりつつある
vol.004
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ひとくちJournal

● vol.003 シニア層の消費感覚が変わりつつある

2〜3ヵ月前の『週刊朝日』で、「2010年には団塊の世代を中心にした消費が爆発する」という記事を読んだことがある。年金の受給開始年齢が上がり、給付水準も下がるなど、シニア層の将来は不安材料に満ちあふれているように思えるが、2010年になると彼らが消費の中心に躍り出るというのだ。

団塊の世代の大部分が定年を迎えるのは、2007年頃だとされている。退職金を手にし、ダウンするとはいえ年金をもらい始めた彼らは、自分の人生の集大成を飾ろうと考えだす。それまで我慢していたものを手に入れるために、彼らは使える金を積極的に自己実現のために投入し始める。それがだいたい2010年頃だという。

果たして、この予想は当たるのか?

まぁ、予想の結果がどうであれ、企業が商品企画を練るときには、将来の予測を立てなければ始まらないので、すでに多くの企業は2010年に焦点を合わせた商品戦略を進めているらしい。

キャンピングカーではかなり前から、すでにシニア層をターゲットとした夫婦2人仕様の企画が主流になってきている。

「熟年のご夫婦が仲良く日本一周を楽しめるクルマ」

などというのが、それらのキャッチでよく謳われている。

しかし、『週刊朝日』の記事を読んでいて面白かったのは、団塊の世代は「熟年、シニア、シルバー」などという言葉を一番嫌うのだという。そういう言葉で表現される人間像と自分のセルフイメージがうまく結びつかないらしい。

これは自分が年をとってきてよく分かるのだが、人間というはいつまで経っても、自分が「成熟した」という実感が持てない動物だという気がする。年をとって体が弱ったことを実感するのと、分別の良い大人として成熟したと思うのは別である。

一説によると、人間というのは、どんなに年をとっても26〜27歳ぐらいの精神構造から抜けきれないという話もある。その伝でいけば、多くの人は80歳になっても、90歳になっても成熟した実感は持てず、「俺はまだ未熟だ」と思いながら死んでゆくのではなかろうか。

ましてや、団塊の世代というのは「分別のある大人」になることを拒否して学生運動やビートルズに熱狂した世代である。「一人前の大人に早くなるように」と教育されてきた日本で、最初にそれに反発した人たちだ。成熟した大人というイメージに自分を当てはめることが苦手な世代なのだ。

ある食品メーカーが、レトルトカレーなどのシリーズを「大人の食卓」というネーミングで売りだそうと計画した。そして、その前にモニター調査をやったところ、団塊世代の女性たちから「今さらいちいち大人といわれたくない」という反発が出た。そこでそのメーカーは「やさしい食卓」とネーミング変更をしたという。

「大人の旅館」とか「大人のセダン」などというキャッチが横行している時代だが、それらのターゲットとなっているシニア層は、必ずしもその呼び名を歓迎しているわけではない。キャンピングカーメーカーも、彼らをターゲットにして商品企画を練る場合は、そろそろその謳い文句から「大人、シニア、成熟」などという言葉を外すべき時期が来ているのかも知れない。

では、なんと謳えば団塊世代は振り向いてくれるのだろうか。

私には今その具体的なキャッチは浮かばないが、ヒントになるのは「昔できなかったこと」に尽きるような気がする。

「あの時、もう少しお金の余裕があったなら…」

「あの時、心にゆとりがあれば…」

若い頃に達成できなかったことは、初恋の相手を逃した時の記憶のように、いつまで経っても甘酸っぱい渇望として心の底に沈んでいる。それをすくい上げるような宣伝コンセプトがあれば、必ず団塊世代の心にピンポイントで刺さっていく。

日産の5代目フェアレディZが成功したのも、50代以上の郷愁を誘う戦略をとったからだといわれている。今まで若い人にターゲットを絞っていたスポーツカーという商品を、「かつて若かった人」向けの商品に切り換えたからだ。それが若い頃にスポーツカーを買えなかった中高年男性にウケた。

同じように、中高年女性の旅行ブームは、独身貴族を謳歌する間もなく結婚して専業主婦になった人たちが支えているという。つまり、壮年向けマーケット戦略は、満ち足りた彼らの「現在」に焦点を合わせるよりも、欠けているものに敏感だった「過去」を思い出させた方が効果が高いというわけだ。

なにしろ700万人といわれる団塊の世代。今日に至るまでの半世紀は、彼らの消費動向が日本経済の動きを左右してきたことは間違いない。今後も彼らの購買欲をどうそそるかが、各企業の重要なテーマになり続けるだろう。

最近の乗用車のCM音楽には、70年代、80年代のヒット曲かもしくはそのカバーがよく使われている。乗用車メーカーはとっくにノスタルジック路線に切り換えているのだ。キャンピングカーメーカーも負けてはいられない。