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ひとくちJournal

●vol.006 キャンプ場の料金は果たして高いのか?


道の駅をキャンプ場の代わりするのは無理がある


 キャンプ場の利用料金が高いと感じているキャンピングカーユーザーは結構多いようだ。キャンピングカー系のネットや専門誌を開いてみると、そのようなユーザーの声がときどき散見される。
 しかし、私はそのような声にいつも首を傾げてしまう。そもそも利用料金が高いというのは、どのような根拠に基づいた見方なのだろうか。いつもそれが分からない。

 料金高い派の意見として一番多いのは、
 「道の駅や高速道路のサービスエリア(SА)は、トイレや売店もあるのに無料で宿泊できるが、施設的にさほど変わらないキャンプ場が有料というのは合点がいかない」
 というもの。
 しかし、この意見には根本的な認識の誤りがある。
 キャンプ場は立派な宿泊施設だが、道の駅やSАは宿泊施設ではないのだ。全国「道の駅」連絡会(道路保全技術センター)の見解によると、道の駅はあくまでもドライバーが安全な運転を維持するための施設であって、原則的に認めらるのはあくまでも一時的な休息だけ。その休息の延長線上に仮眠が含まれると解釈されなければならない。
 ただ実際問題として、ドライバーの仮眠に必要な時間などを限定できないため、1泊ぐらいは“おめこぼし”ということになるわけだ。高速道路のSА・PАもしかりである。

 近年問題になっているのは、そのような一時的な休息場として提供されている場所でのキャンピングカーユーザーの利用方法だ。
 例えば観光地に隣接しているような道の駅で、一般乗用車が駐車場の空きを待つために列をつくっているような状況にもかかわらず、1台のキャンピングカーが2台分の駐車スペースを独占し、オーニングを出してバーベキューを行なっていたなどという例が、一般客から批判ないしは疑問という形で提出されたことがあった。
 また、このような場所で数台のキャンピングカーが集まり、深夜まで大声で宴会を開いていたという例も報告されている。このような事例に困り果てた山梨県の道の駅が「場内でのキャンプお断り」の立て札を立てたという報道がなされたこともある。

 これは私が昨年の夏に観察した事例だが、温泉施設のある道の駅で、身障者用の駐車スペースに堂々とキャンピングカーで宿泊し、ポールに干し綱を巻いて洗濯物まで干しているユーザーがいた。確かに、その身障者用駐車スペースは温泉の入り口に最も近く、キャンピングカーを止めるなら便利な場所であることは事実だった。だが、それを見た一般客はどのような印象を持つだろうか。
 「キャンピングカーに乗る連中は自分の都合しか考えない」
 「彼らには社会性というものがない」
 もし、そんなネガティブな感想を抱く人々が増えたら、それは多くの善良なキャンピングカーユーザーたちの印象も悪くしてしまうことにならないだろうか。

キャンピングカーならどこに泊まってもいいのか?


 「キャンピングカーならどこにでも泊まれる」という認識はそろそろ改めるべき時期が来たのかもしれない。 
 このような表現を使うと、キャンピングカーの普及に水を差すことにも繋がりかねないが、キャンピングカーの今の宿泊スタイルに懸念を感じるという声が一部からでもあがってきた以上、「宿泊が歓迎される場所」と「歓迎されない場所」を嗅ぎわける“嗅覚”は、すべてのユーザーが持たなければいけないものとなってきたと思う。
 かくいう私は、取材などの効率化を図るため、実は高速道路のSАやPАで宿泊することが最も多い。しかしその場合は、最低限のマナーやモラルを守っているかどうか常に自分でチェックしている。
 正直にいうと、そういうことに神経質になることが多少面倒くさいと感じている。だから、そのような気づかいから解放されるキャンプ場での宿泊が好きである。

見落とされがちなゴミ処理問題



 キャンプ場の料金を高いと感じる人のなかには、キャンプ場特有のサービスであるАC電源やシャワー施設の提供を不要だと思っている人が多いようだ。「自分のクルマにはそのような設備が必要がないからキャンプ場に泊まる意味を感じない」。そう考える人も多かろう。
 しかし、キャンプ場が提供するサービスは電源やシャワーだけではない。それ以上に注目されなければならないのはゴミ処理サービスだ。
 道の駅などにも、確かにゴミ箱が設置されている。しかし、そのゴミ箱はあくまでもその施設内で飲食したものの容器やお土産の梱包などを処理するためのものであって、キャンピングカー内の生活で排出した家庭ゴミを捨てるための設備ではない。
 これはキャンピングカーユーザーだけでなく、乗用車ユーザーにも関係してくる問題だが、このような道の駅やSА・PАにおけるゴミの不法投棄がさらに増えるようであれば、やがて公共の駐車場からゴミ箱そのものを撤去しようという動きも出てくるだろう。現にそれを始めている道の駅もある。
 キャンプ場の場合は、このゴミ処理サービスが料金内でまかなわれている。気にする人は少ないようだが、それは利用者にとってとてもありがたいことだといわねばなるまい。


キャンプ場で宿泊する利点はたくさんある


 「キャンプ場が高い」という意見では、キャンプ場だからこそ保証されるセキュリティーの問題も見過ごされている。料金体系が多少高目に設定されている高規格キャンプ場の場合は、たいてい夜間は閉鎖されるゲートなどが完備している。完璧とはいえないが、わざわざそれを超えてくる犯罪者が侵入する率は相当低い。夜間にスタッフが巡回するキャンプ場ともなれば、宿泊者が犯罪の被害をこうむる率はさらに低くなる。
 ところが、周囲が開放されている道の駅などではその限りではない。盗難などによる被害を受けても、その補填を管理者に求めることはできず、すべて自己責任で処理しなければならない。

 АC電源を供給してくれるというのも、やはりキャンプ場ならではの利点だと考えたい。車内でテレビや電灯類、3ウェイ冷蔵庫などを使用する場合は、たいていそれでまかなえる。
 問題があるのはルーフエアコンと電子レンジの駆動だが、これに関してだけいえば、確かにすべてのキャンプ場で供給される電源のアンペア数がそれを可能にしているとはいいがたい。しかし20Аが確保されていれば、機種によってはエアコン駆動にまったく問題がないし、30Аを確保しているキャンプ場も増えている。
 АC電源の機能を補填するために、発電機を搭載するキャンピングカーも増えたが、発電機は万全ではない。最近はビルダーの努力によってかなり発電機の騒音を軽減する対策も進んできたが、だからといって、民家が間近に迫った道の駅などで使用する場合は、その時間帯を考慮しなければならないし、すぐ隣りに乗用車で仮眠している利用者がいるような場所では使用しづらい。
 その点キャンプ場の電源は、そのような気づかいをすることなく安心して利用できる。

高いか安いかは、その人の価値観で変わる


「キャンプ場の料金が高すぎる」という意見のなかには、たとえば無料のキャンプ場があるような北海道などと比べ、関東周辺の料金が高すぎるという声もある。これは少し理解できる。
 しかし、地価の違いや運営・管理にかかる人件費などを考慮すると、必ずしも関東周辺のキャンプ場だけが不当に高い料金設定を行っているとはいえない。施設内容などをつぶさに比較していけば、利用者にそれなりのサービスを供給しているキャンプ場は、どの地方に行っても似たような料金設定になっている。

 高いか安いかという判断は、たぶんに利用者の価値観や使っているキャンピングカーの機能によって異なってくる。たとえばフルフックアップを備えたキャンピングカーサイトは、料金が多少高くても大型輸入モーターホームなどのユーザーにとっては大いに利用価値があるだろう。しかし、バンコンクラスでトイレ・シャワー機能を持たないクルマのユーザーにとっては、立派なサイトも宝の持ち腐れ。クルマが変れば料金体系の見方も変わるのだ。

 「キャンピングカーの旅では、どんな場合でも必ずキャンプ場に泊まらなければならない」などと主張するつもりは全くない。ただ電源、ゴミ処理、シャワー等の使用、セキュリティ、給排水など、キャンピングカー旅行をまっとうするためのすべての機能が効率的に揃っているのは、今のところキャンプ場しかない。
 キャンプ場の利用料金とは、それらの諸機能を有効活用するための経費である。その経費を負担したくないというのであれば、それに代わる別の負担をユーザーが背負わなければならない時代が、すぐそこにまで来ているような気もする。(町田)